建設業許可とは、500万円以上の建設工事(建築一式工事の場合、1,500万円以上の工事、または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事)を受注する場合に必要となる許可です。
建設業許可は29業種に分かれており、2つの「一式工事」(土木一式工事、建築一式工事)と27の「専門工事」に分かれております。一式工事は、複数の「専門工事」を組み合わせ総合的な企画、指導などを行い建設をする業種になります。
「一式工事」は総合的に工事を見るような業種であるため、「一式工事」の許可を持っていれば、どの業種の工事をしても良いわけではなく、一式工事の許可を持っている業者が、専門工事に該当する工事を単独で請け負う場合は、その専門工事の許可が必要になります。
建設業許可を取得するメリット・デメリット
建設業許可を取得するとメリットになる部分もあれば、デメリットになる部分もあります。それらについて比較してみます。
建設業許可を取得するメリット
建設業許可を取得するメリットとしては、以下のようなことがあります。
- 500万円以上の建設工事(建築一式工事の場合、1,500万円以上の工事、または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事)を受注できる
- 技術力を持った業者ということが客観的に証明される
- 大きな企業の下請けに入りやすくなる(最近は500万円以下の工事を受注する場合でも、元請け企業から建設業許可を取得するように指示されるケースが増えております。)
- 技能実習生の受け入れ、特定技能ビザの労働者を雇うことができる(技能実習生については、2020年4月より建設業許可を取得している業者でないと受け入れが出来なくなりました。)
建設業許可を取得するデメリット
建設業許可を取得するでデメリットとしては、以下のようなことがあります。
- 建設業許可を維持するのに費用と手間がかかる
- 経営業務管理責任者や専任技術者がいなくなった等、許可の要件を満たさなくなった場合、許可が取り消しとなる。(いなくなる前に資格要件を満たす代わりの人を雇用して、所定の手続きを行えば取り消しにはなりません。)
建設業許可を取得する費用・維持費・手間
建設業許可を取得するには申請手数料などの費用と、維持をしていくために毎年行わなくてはならないことがあります。
建設業許可を維持していくための手間
建設業許可を取得、維持していくために必要になることは、まず許可を取得するための新規許可申請が必要になります。許可後にも様々な申請や届出が必要になり、代表的なものについては以下の通りになります。
- 5年ごとに建設業許可の更新手続きが必要になります。
- 事業年度終了後、4ヶ月以内に決算報告が必要になります。(決算終了届)
- 建設業法第11条に定める項目に変更が生じた場合、変更の都度届出が必要になります。(各種変更届)
建設業許可は有効期間が5年間であるため、5年ごとに更新の許可申請が必要になります。ただし、5年間の間に本来提出の必要があった、決算終了届や各種変更届が未提出になっている場合、更新が出来なくなります。(現時点では、更新の申請を出す前に遡って未提出の決算終了届や各種変更届を出せば更新も行えております。)
建設業許可を取得・維持するための費用
建設業許可を取得するためには、申請手数料がかかり、また5年ごとの更新の際にも都度申請手数料が必要になります。新規の許可申請は90,000円(知事許可の場合)、更新の許可申請は50,000円(知事許可の場合)となります。終了届や変更届は申請手数料はかかりません。
当事務所で新規許可申請、終了届、更新許可申請を代行した場合、上記の申請手数料とは別途報酬がかかり、新規許可申請は110,000円、終了届は27,500円、更新許可申請は44,000円で行っております。また各種の変更届にも対応しており、こちらは変更の内容に応じて11,000円~22,000円の間で行っております。(報酬額についてはいずれも消費税込み。)
ご自身で行う場合、当事務所が代行する場合、いずれの場合も上記の申請手数料と報酬以外に登記簿謄本の取得などの実費が発生します。この実費は数百円~3,000円程度が一般的です。